ふさわしい人がいるのではなく、ふさわしい人になっていく 【アメリカ留学記】
言葉に救われた経験はあるだろうか。
“God doesn’t choose the qualified, God qualifies the chosen.”
Papa Peter Rhodes.
「神は資格のある者を選ぶのではなく、選ばれた者に資格を与える」
神(あるいは運命や宇宙)が人を選ぶ際、最初から完璧な能力や資質を持っている人を選ぶのではなく、まず人を選び、その後でその人が使命を果たせるように必要な資質や能力を授ける。
最初から「ふさわしい」と思われる人が選ばれるのではなく、選ばれた人が後からその役割にふさわしい者になっていく。
Darren Rhodesのお父様の言葉
これはDarren Rhodesをスタジオに呼んで、yogahour のティーチャートレーニングを開催する事が決まり、私が通訳できるか不安に思っていた時にダレンがくれた言葉だ。この言葉に何度勇気づけられたことか。
Darren Rhodesは、1999年からアリゾナ州ツーソン市にあるYogaOasisスタジオのディレクターを務め、またYogahourという独自のスタイルのヨガクラスを考案した。Yogagloの講師やポスターのモデルを務めたり、The Yoga Resource Practice Manualという360ポーズについての本を書いている。

最初にダレンのクラスを受けたのは、アメリカのヨガのオンラインサイト『Yogaglo』だった。「なんて嘘のない人だろう」というのが最初に受けた印象で、あっという間に虜になりダレンのクラスだけを毎日練習するようになった。
クラスの内容も通常のクラスの流れとは違いユニークなものだったが、何よりクラスの前の話にいつも心が動かされた。ダレンの言葉は決して人にこういう風に考えたらいいとか、そういう押し付けではなくて、自分の小ささも含めた実体験を話してくれていて、それが優しく心に染み込んだ。
毎朝練習していると、夢にまでダレンが出てくるようになったので、もうこれは会いに行くしかないと思い、トレーニングに行くことにした。
とりあえずダレンに会えればそれでいいと思っていたので、ホームページに記載されていたトレーニングに申し込んだ。それがダレンたちにとっても最初のヨガアワーのトレーニングだった。

トレーニング会場は、フィラデルフィアにあるMaha Yoga Studio。
前日にフィラデルフィアに着き時間があったので、スタジオにゼンニャ(※日本でワークショップを受けたことがあり、ヨガを指導する上で大きな影響を与えてくれた女性)のクラスを受けに行ったら、なんとダレンもそこに来て、私の真向かいにマットをひいた。あまりにもドラマチックで、今ならドラマの主人公になれると思った。終始ドキドキしながらクラスを受け、クラス後にダレンに挨拶に行ったら、とても驚いた顔をして、「YOって男だと思っていた!」と。え?
資格がもらえるわけでもないトレーニングに、わざわざ日本から受けにくるなんてどんな男の人だろうと思っていたらしい。
ダレンとゼンニャとよそ見してしまった私
トレーニング当日、ワクワクした気持ちと、イギリス留学時に最初は英語が話せず馴染めなかったトラウマがぴょこぴょこ出ながら、会場に向かった。しかしそのトラウマは会場に着いた瞬間に消えた。参加者の人達が、わざわざ日本からやってきたということで、とても暖かく向かい入れてくれたのだ。
トレーニングが始まり、ダレンがヨガアワーがどのようにして始まったのか、ヨガアワーとはどういうシステムなのかを話してくれた時に、「これは私のための作られたトレーニングか?」と思うくらい、「そうそう!こういう事が学びたかった」と、頭が取れそうなくらい頷きながら話を聞いたのを覚えている。
しかし実際に指導をし合う時間になった時に、「あれ?私英語で教えたことなんてないけど?」と、英語で教えれない事にようやく気づいた。
喜びが脇汗に変わった。全然指導できない。
スムーズに行かず、ペアになった人に迷惑をかけている事にハラハラが止まらない。
1日目が終わった時は、水をかぶったアンパンマンみたいに疲れ果てていた。こんなに話せないのはダメだと、帰ってから、そして翌朝も早く起きて英語で教える練習をした。
その時のブログに下記のように書いていた。
今まで培ってきたものを、全てゼロに戻している気がします。
そういう事が今の私には必要だったんでしょうね。

このトレーニングが終わった時に、「陽が来てくれたのが、このトレーニングのハイライト。日本に教えに行くよ」とダレンが言ってくれた。
そこから私のヨガアワーの道がスタートした。
ダレンが私を選んでくれ、200時間のヨガアワーのティーチャートレーニングをスタジオで開催するために必要な資質を能力を授けてくれたおかげで、素晴らしい人たちに出会うことが出来た。この経験が間違いなく私の人生のハイライトの1つである。

ダレンのスタジオの看板にはYOと書いてある。
エモい。







