99歳の祖母が教えてくれた、二本目の矢を放たない生き方

日差しから逃げるように、透け感のある大きめのTシャツの袖をヒラヒラさせながら、急足で歩く。日焼け止めを塗ってないのだ。
くうちゃんは、いつものように色んな匂いを嗅ぐのに忙しい。
日差しの奥にはふわふわと、青い空に雲が浮かんでいる。

今日は10月中旬にも関わらず、まるで夏の日。
皮膚も「暑い」と言っているのに、もうすぐ香りを放ちそうな金木犀や、高い木の上から私を眺めている枇杷を見ると、不思議な気分になる。

何かを見れば、そこに感情や思考が生まれる。
そして、その感情や思考の質によって、身体が軽くなったり、重たくなったりする。
思考が身体に与える影響の大きさを、日々感じている。
だからこそ上手に付き合いたいと思う。

最近、Jay Shetty のポッドキャストを聴いていて、「二本の矢」という仏陀の話を知った。
人間の苦しみの構造について説いた、有名な例え話だという。

1本目の矢(第一の矢)=現実の痛み

人間である限り、誰もが避けられない「現実の痛み」や「出来事」が起こる。
• 病気になる
• 人に拒絶される
• 事故に遭う
• 老いる、死ぬ

これらは「第一の矢」。
どんな聖者でも、この矢を避けることはできない。
痛みや悲しみそのものは、誰の人生にも訪れること。

2本目の矢(第二の矢)=心の中で作る苦しみ

ところが、私たちはその出来事に対して、
• 「なんで私がこんな目に…」
• 「あの人のせいだ」
• 「もう二度と幸せになれない」

といった思考・意味づけ・感情反応を加える。
この「思考によって自ら放つ矢」こそが、第二の矢。

「第一の矢は受けるけど、第二の矢は受けない」
ー仏陀

私たちは一矢目ではなく、この二本目の矢によって、苦しみを増幅させている。
この話を聞いてからは、何か起こった時に
「これは何本目の矢なのか?」
「自分で自分に矢を放っていないか?」
と、少し距離を置けるツールをもらった。

99歳の祖母にストレスはあるかと聞いてみた。祖母は「ない」と即答した。
祖母の人生を振り返ると、決してそんなに平坦な人生ではなかったはず。

何が起こっても、抗おうとせず、「そういうものだ」と受け入れて、それ以上考えない。
必要以上に自分を責めたりもしない。
祖母は、第二の矢は放っていないように見える。

本当のところは分からないけれども、
体が丈夫で99歳まで立派に生きているのが、
何よりの証ではなかろうか。

祖母を見習いたい。
まずはビスケット16枚から。笑

2025-11-02 | Posted in BlogComments Closed 

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